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「あの、素朴な疑問なのですが、」
やっぱり俺には柊みたいにうまくやっていける気がしねぇな、と落ち込みそうになったとき一人の男が近づいてきて話しかけてきた。
「あ、はい!」
慌てて返事する。
「その指輪、あなたのですか?」
「はい。友人から貰ったんです。」
まぁその友人もいつの間にか持っていた物だから厳密には本当にそうなのかはわからないけど、、、
「わかりました。ではそのご友人は高貴なお方なのですね?」
高貴???
「・・・。あ、でも誤解しないでほしい。本当に貰ったもので盗んだとか拾ったとかじゃないので!なのにこれがまったく何なのかわからないってそんなことあるのかよ!って思うかもしれないけど、結構切羽詰まってるときに譲り受けたもので」
「もしかして、あの女の子に貰ったのか?」
青髪の青年が言った。
「あ、えっと、、」
「そうなんだな?だったらおかしくねぇよ!あの子は只者じゃない!」
確かに只者ではないけど、、、
「俺もさ、こいつに少し前に会ったんだけど、こいつと一緒にいた女の子、その子は確かに貴族の子だったかもしれない!」
貴族の子、、、でないけど、擁護してくれる分には有り難い。
「わかりました。信じます」
や、やった!
「俺は2年間王都に住んでたんで、少し魔具には詳しいんです。ここ、紋章が入ってますよね?」
「おう」
「これは貴族の物だということ。あなたのご友人は、、、、え?」
「?」
「いや、、、バイルシュミットの家紋に似てるなと思って、、、」
「バ??シュミット??」
「バイルシュミットって、あの大貴族の、、、」
「いや、似てる紋章なだけかもしれない。でも、バイルシュミットの物だったら俺等全員助かるかも!!」
「助かるってのは、、、」
「解放されるかもってことだよ!!」
そんなチートアイテムなの!?これ!
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