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ネジェンヌパスはナイフを引き抜くと、俺から血を吸い取った。
俺は貧血による眩暈で抵抗したくても抵抗し切れない。
口元を血塗れにしたネジェンヌパスはまるで、棘に血を付着させた黄色い薔薇だ。
俺は虫の息で血塗れのベッドの上でのたうち回った。子供にハサミで切られたミミズの気分だった。
そんな俺を怪力で抑え付けてネジェンヌパスは更に俺の腸を喰らう。
「うああぁぁぁあ!!!」
俺は雄叫びを上げ、死を覚悟した。
ネジェンヌパスがつまらなさそうに俺の髪を鷲掴みする。
「どう?ザード・ザックス・クリムゾン。楽しんでるかしら?」
俺は煽ることにした。
「楽しんでいるよ。帰りたくてたまらないぐらい」
ネジェンヌパスが邪悪に微笑む。
「敬語を忘れるぐらいには楽しんでくれてるみたいで嬉しいわ。お礼に傷口に塩を練り込みましょう」
俺は一瞬、思考回路が停止する。傷口に塩…?そんなことしたら…。
ネジェンヌパスが拷問部屋の隅に置かれた塩の塊を砕きながら、持って来る。
俺はまた泣き出した。
「ご主人様、お願いです。塩はきっと痛いです。そうやって本に書いてありました」
「どこまでも天然なのね。痛いのを喜びに変える練習よ、ザード。慣れたら、私に感謝するわ」
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