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何か柔らかい物が顔面に押し付けられ、目を覚ます。
「あら、眠り姫、起きたようね」
ネジェンヌパスはベッドの上で俺を強く抱き締めていた。
パックリ割れていた傷口には止血剤とガーゼの処置が取られている。
俺はネジェンヌパスの香りを楽しんだ。
もう俺は男ではない。大切な物を失った。
「ご主人様、俺…もう生きたくない…」
ネジェンヌパスの胸の中で咽び泣く俺をネジェンヌパスは笑った。
「私なしでは生きられなくしてあげる。大丈夫よ。とっても気持ち良いから」
髪の毛を撫でられ、痛い程抱き締められている内に心臓の鼓動が早くなる。
お姫様だっこで朝食の席に辿り着くと、サラドークとモガとリュヴィースが驚いた顔をした。
「まだ生きていやがったか!ネジェンヌパス姉さん、こいつのことお気に入りで?」
ネジェンヌパスは何も言わず、俺にハムエッグを食べさせる。
俺は逃げ出そうと思えばどこにでも逃げ出せた。だが、気付いた。もし、仮にダークエルフなのがバレたらネジェンヌパスより酷い人間に売り飛ばされるかもしれない。正直、犯されるならネジェンヌパスのような黄色い薔薇に犯されるのが一番マシに感じて来ていた。
ネジェンヌパスがふと笑うと強くキスを要求した。
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