第1章

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「おい、持ってきたか?」 「うん、持ってきたよウルトラスーパーかっこいいやつ。」 誰もいない教室。 夕日が俺らの教室を照らす。 審判に見立てたのは誰かが片付け忘れた 変な方向を向いてるクマのぬいぐるみ。 そして今男同士の戦いが始まろうとしていた。 「これで勝った方が、あいつに先に告白する権利をもらうってことでいいな。」 「うん、僕負けないよ。」 互いに黄色い横かけカバンからそれを取り出す。 黄色い帽子を投げ捨て、戦闘態勢 「いくぜえええ!さとみせんせいは俺のだああ!」 教室の外で二人を見つけたアップリケエプロンの彼女 あわててしゃがみこんで、様子を見る。 「里美先生こんにちわ、息子を迎えに来たんですが…笑われてますね。どうかされましたか?」 「こんにちわ。今ちょっと子供たちが勝負を…ふふっ、私と一緒に作ったどんぐりゴマか。」 小さな恋、コマがぶつかり合う度に溢れるかけ声が秋の空に響き渡った。
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