第1章

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「何がいい?」 「んーと、じゃあ炭酸がいいな。ジンジャエールある?」 「おう、ジンジャエールな。あと適当におつまみ買ってく。」 「おいおい、まだ飲む気かよ。大丈夫なのか?」 「へーきへーき。明日は休みだしー。そうだ、明日一緒にどっか遊び行かね?お前も休みだろ?」 「お、いいねー。じゃあ、計画は部屋でな。」 ありがとうございましたー。タクヤは会計を終えたようだ。 「えーと、コンビニの左のマンションの505号室な。」 そう言いながら、タクヤがエレベーターに乗る気配がする。 「そそ、コンビニの左のマンションな。」 「よし、5階ついたー。ピンポーン。」 タクヤがおどけて口で言った。 あれ?おかしい。俺の部屋のすぐ外に来ているはずなのに、電話の中からしか声がしない。 そのとたん、電話から激しい音がした。 ガタン。うわぁ!タクヤの叫び声。 「タクヤ?どした?」 俺は心配になり、タクヤに話しかけた。 「・・・あーごめん。携帯落としたんだ、今。」 「なんだ、そうなのか。」 「スマン、俺、マンション間違えたみたいだわ。どこだっけ?」 「はあ?だからコンビニの左の505だって言ったろ。」 「あ、俺から見て左だと思ったわ。」 「バカだなー。お前。」 505号室の玄関には血まみれの男の死体が転がっている。 その横には見知らぬ女の死体。 「じゃ、今から行くから。」 そして、見知らぬ男は、血まみれの男の物だった携帯に向かってそう言うと、コンビニの左のマンションを目指した。
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