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「…その相手がカレシとは限られねぇだろ?」
いまどきの奴等は付き合っていなくても男女で出掛けることはよくあるだろう。
「いや、多分間違いないかな。
咲季ちゃんの話と一致してたしね」
「〝咲季チャン〟?」
「ミヤの親友。真直な黒髪に小学生らしからぬ物言いをする子がいたでしょ」
独特の雰囲気を纏った平気で人を見下す視線を向ける――クソガキだ。
「咲季ちゃんもミヤと同じ青藍高に通ってるんだよ。
だからね、たまに学校の様子を教えて貰ってるの」
「ミヤには内緒だよ?」そう笑いながら圭は空いたグラスに新たなお酒を注ぐ。
「兄としては変な男に騙されいるんじゃないかとか、遊ばれているんじゃないかとか心配じゃない?」
「……心配なら妹本人に言えよ」
「無駄無駄。
ミヤ意地っぱりだから、そんなことを僕らが言えば余計に心配かけまいと何も言わなくなるからさ」
きっとそうなった前歴があるのだろう。
それに妹の恋愛には兄でも口を出しづらいのかもしれない。
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