第1章

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A「うわあ…はとだ…」 聞き覚えのある声に反応して振り向けば、そこにはおれのクラスメート。 俺が好きな声がした。 B「佐山さん…?」 彼女は俺の声に反応して振り向いたが、また鳩のほうに向きなおった。 A「こんにちは、鈴木くん。こんなところでなにしてるの」 B「図書館の帰りだけど」 A「そっかー」 うんしょ。佐山さんは立ち上がって背伸びをする。 その姿がすごく素敵で可愛くて。いけないと思いつつも俺は彼女に見とれていた。 A「どうしたの、鈴木くん」 B「なんでもな…」 そのとき、彼女周りで数羽の鳩が飛び立つ…。 A「わあ…」 彼女のスカートがその風によってふわっと揺れた。 A「鈴木くん、白い鳩ってね」 彼女はまだこちらを振り向かずに続ける。 A「幸せの象徴だと思うんだ」 B「え」 A「だから…」 彼女に見惚れていた俺は気づかなかった。彼女の頬が赤く染まっていたことに。
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