0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
A「うわあ…はとだ…」
聞き覚えのある声に反応して振り向けば、そこにはおれのクラスメート。
俺が好きな声がした。
B「佐山さん…?」
彼女は俺の声に反応して振り向いたが、また鳩のほうに向きなおった。
A「こんにちは、鈴木くん。こんなところでなにしてるの」
B「図書館の帰りだけど」
A「そっかー」
うんしょ。佐山さんは立ち上がって背伸びをする。
その姿がすごく素敵で可愛くて。いけないと思いつつも俺は彼女に見とれていた。
A「どうしたの、鈴木くん」
B「なんでもな…」
そのとき、彼女周りで数羽の鳩が飛び立つ…。
A「わあ…」
彼女のスカートがその風によってふわっと揺れた。
A「鈴木くん、白い鳩ってね」
彼女はまだこちらを振り向かずに続ける。
A「幸せの象徴だと思うんだ」
B「え」
A「だから…」
彼女に見惚れていた俺は気づかなかった。彼女の頬が赤く染まっていたことに。
最初のコメントを投稿しよう!