Chapter-5-Brief-a-rest-

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「随分と魁人に 惚れてるみたいだなあの子」 佐野が興味なさそうに そんなことを言った途端 「でも本当はオレが倒した死人に 攻撃して恰も自分が助けたみたいに 見せてただけなんだけどな。」 とノブが真実を話し始めた。 『━━━ギクッ』 魁人の顔が引き吊った。 「とんだ横取りだな。」 『━━━ギクギクッ』 山伏の一言で更に魁人の顔が引き吊った。 「騙してたんだ‥‥‥?」 黒髪の女子生徒がガッカリしながら 如何にも「怒ってます」という顔で詰め寄る。 こういう時の男は本当に形無しとなる。 「いや、違うんだよ‥‥!」 焦りを顔に出しつつ 言い訳しようとしたが 遮られてしまい 「サイテー!!」 と心をへし折る勢いで 反撃をお見舞いされた。 「ガ━━━ン!!」 そして見事心を折られた魁人。 「当然の結果だろ。」 杉村が魁人を見下して トドメを差す一言を加えた。 そして小山田は如何にも 『ザマァ見ろ』と言うような 顔をして笑っている。 もちろん小山田は モテナイ組の部類だ。 『オレの青春を返せぇ━━━━!!!!』 涙を流しながら 訴えかける魁人。 「なーに言ってんだよ 自業自得じゃねーか! そんなことしてたら 恋人なんてできねぇって(笑)」 そんな魁人の不様な姿を見下して 優越感に浸る小山田だが、 「お前は女たらしだろ。」 「違う違う、マザコン。」 「いやいや、下着泥棒。」 (お前らと小山田は どういう関係なんだ?) 山伏達の対応とあっさりとした 悪口にノブが疑問を抱いた。 新たに仲間を 増やしていく山伏達だが さらなる壁が立ち塞がる。   教室から脱出した 山伏、佐野、杉村、小山田の 男子4人は、 技術室に逃げ込む事で 新たに王羅、大西、相澤、 魁人と他数名と合流した。 そして先程まで魁人に騙されていた子が 山伏達の方へと歩み寄る。 「えっと、初めて顔を会わせるよね? 私、田渕(たぶち) 理子(りこ)。 色々大変だと思うけど お互い助け合って行こう?」   怯えながら簡単な自己紹介を してきたリコ。 死人により失ったモノは多けれど 助け合いたいと友好的に接してきた。
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