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「オレは山伏 雄大、此方こそ宜しく!
確かにそうだね。
今は皆で協力しないと脱出できない。」
ニッと強気の笑顔で
リコの考えに同意した。
「佐野 拓磨だ。
まぁめんどくせぇ事に
なってっけど共に生き残ろうな」
佐野は相変わらずの
半開きの目をして如何にも
めんどくさそうな顔で名乗った。
「‥‥杉村 亮平。」
杉村は目を合わす事もなく
一言名前だけを言った。
「オレは小山田 玲!よろしくな!」
そして小山田は何故か興奮して鼻が膨らんでいる。
「えっと、みんなよろしくね‥‥!」
死人が現れてから約3時間経って、
ようやく訪れた休息の時間‥‥。
しかし、その時間は
長くは続かなかった‥‥。
━11:40━
「ありえねぇよ‥‥そんな事。」
王羅は技術室の扉付近の机で
何か作っている山伏にそう言った。
王羅は確かに食堂から死人達を鉄パイプで
凪ぎ払って逃げてきたが、
倒しはしなかったのだ。
彼は治せるかも知れないと思い
業と頭を狙わなかったという。
「だったらその目で何を見た?
いい加減現実を受け止めろ‥‥!!」
「!!」
山伏が言ってくれることは同情ではなく真実。
現実的な答えしか与えないのは
その現実を生きるために必要なことだから。
王羅の死人という信じがたい
存在に対して共に共感してほしい
という願いには答えず、
ただ現実を見ろという答えを返す。
「‥‥そうかよ‥‥!!
だが確かに‥‥クソ‥‥!!
‥‥ところでさっきから何を作ってるんだ?」
王羅は戸惑いつつも山伏が
夢中になって作っている工作について聞いた。
すると、山伏は作業を止めニヤリと笑うと
『弓だよ!!』
そう言って立ち上がり、弓を引き絞る山伏。
「これで狙うのは‥‥!」
━━━━━━バッ!!
技術室の中で突然矢を放つ山伏。
その狙った先にいたのは‥‥!?
━━━━━ゴッ!!!
「ッ!?」
その先にいたのは小山田だったが
矢は小山田の目の前スレスレで壁に刺さる。
所謂、
「後数センチずれていたら
当たっていた」という所だった。
「えっ!?」
小山田と女子生徒が一緒にいる
という事は粗方想像が付く。
「ナンパ」していたのだ。
基本小山田も魁人と同じで、
いや、それ以上に
女性に対しての意識が強かった。
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