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………あれは人じゃない……死人だ……!!
ソウ決メツケテルダケダロ?
ドンナ"形"ヲシテイヨウト
"人"デアルコトニ変ワリハナイ。
あんな異常な存在、、、
人と呼べるかよ。
山伏は苦しむ顔を見せ、
そのまま顔を両手で覆う。
そんな棒立ち状態の山伏を見て誰もが
それだけ切実に苦悩していると思い込むが、
しかし、それは全く別の苦悩だった。
イイカゲン認メタラドウダ?
ホントウハ『タノシカッタ』ダロ?
"ヒト"ノアタマヲ潰スノガ
うるせぇ………
楽しい訳ないだろう!?
元々はオレ達と同じ人だっ
それをオレは分かってる!!
でも仕方ねぇだろ!!
殺らなきゃオレ達が殺られるんだ。
本当ノコト言エヨ。
オマエハコノ"世界"ガ
タノシクナッテキテイル。
コノ『セカイ』ニ
『カイカン』ヲオボエタ。
ダカラオマエハ人ヲ愛セナイ。
オマエハ"人ヲ殺ス"コトデ
"生キ甲斐"ヲ感ジルンダカラナ‥‥。
━━━━━っ!!!
イズレホントウノ自分ガワカル時ガクルサ。
『うぅぅぅ………!!』
とうとう山伏はその場で
しゃがみ込み、頭を強く抑え始めた。
「‥‥‥‥‥」
「‥シ‥クン‥‥」
「‥‥フシ君‥‥」
『山伏君!!』
『!!?』
何度か名前を呼ばれる事で
漸く意識を取り戻す。
茜や佳奈はそんな山伏と
側に寄って介抱する田渕を
見つめていた。
『どうかしたの!?
顔色悪いし汗掻いてるよ!?』
気づけばオレは冷や汗を掻きながら
顔を青くしてしゃがみ込んでいた。
『な、何でもないよ、、
ちょっとぼーっとしてただけだから‥‥‥。』
汗を拭いながら山伏は
平静を装って田渕に言った。
「そのわりには
酷く怯えてた気がしたんだけど。」
オレを気遣うような視線を向けている
杉村達はすぐにオレの心情を察したのか、
杉村が呆気に取られる
ノブや田所、王羅に業とらしく話し掛けた。
茜も佳奈ちゃんもすぐに目を逸らして
お互いに向き合って何か言って話している。
佐野は怪我の応急手当をする
相澤さんにしてもらっていたが
チラチラと此方に目を向ける。
崎さんだけは椅子に座って
窓の外を眺めていた。
手で頬骨を付いて退屈そうな顔をしている。
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