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『あれっ!?今笑った!?』
『オレもう二度と
お前らの心配なんてしねぇ!』
そして2人は顔を赤くしながら
扉の前で立ち竦むのだった。
回りから飛んでくる
馬鹿にするような笑い声に
歓迎されながら‥‥。
『もういいやぁ好きなだけ
笑えばいいだろぉ!!
‥‥‥おい、山伏。』
突然佐野は山伏の名を呼ぶ。
「何だよ?」
『二股はすんなよ?』
佐野はニヤリと悪魔が微笑んだかのような
憎たらしい笑みを浮かべながら
そんなことを言った。
「はぁっ?何言ってんだよ?」
佐野は手をひらひらさせて
杉村達が集まる所の輪の中に入っていった。
わざわざ馬鹿にされに行くなんて‥‥。
「お前オレの下僕として
こき使ってやるよゴミ野ぉ」
案の定杉村が絡んで
平穏だった日々の如く
佐野に軽口を叩く。
「ゴ、ゴミ野?
あぁ‥てめぇそんなこと
言っていいと思ってんのか?」
そして佐野もまた
相変わらずの返しをしながらも
笑っている。
以前と変わらないやり取り。
見ているだけで不思議と
死人への恐怖が和らいで行く。
「上等やクソ野郎。」
更に調子に乗り始める杉村。
「クソ野郎!?
………よぉく分かった。
じゃあお前は『生ゴミ』じゃ!」
そして佐野が言い返す。
「コォイツ!
ほざきやがってゴミクズが!」
本当に彼らには
死人に対する恐怖心が
全く無いのだろうか?
当たり前であった学校の日々を
描くように変わらぬやり取りをしていた。
「まぁ‥‥‥………
クズにクズって言われてもな♪」
「あああ!!」
そして大抵こうやって佐野に
言いくるめられてしまうのが
普段通りのオチだ。
「すげぇな佐野。
必ず相手より1つ上の言葉で
返してくるなんて‥‥!」
王羅がその様子を見て
佐野の切り返し方に関心する。
佐野の頭が良いのか単に
杉村のからかい方が弱いのか
佐野は相手よりも必ず上に立とうとする。
流石は人を跪かせるという
ドSっぷりを見せる「魔王」。
その通称に恥じぬ行為は
誰も逆らう事を許さないのだろう。
「どうでもいいし
『ゴミ』と『生ゴミ』って
低レベルな争いだな‥‥」
2人のいつもながらの
言い争いを見て呆れるノブ。
そんなノブに2人が‥‥
『お前は粗大ゴミな(笑)』
と同じタイミングで
同じことを言った杉村と佐野。
「なっっ!!?」
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