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『…………魁人から最期の瞬間に
遺言でも貰ってたんだろうよ。
辛いもんだぜ生者から
死体(ロク)に成り果てたことを
伝える気分ってのは。』
何やら皮肉った言葉で
山伏に同情するようなことを言った杉村。
「ロクってなんだよ?」
「死体を警察用語ではロクって言うんだ。
南無阿弥陀仏って六文字だろ?
そこから来てるんだとよ。
だから死体をロクって言ったんだ。」
好奇心で過去に調べたのだろうか?
専門用語をすんなりと
言って退けた杉村は何処か
優越感に浸っているように見えた。
(魁人‥‥‥‥。
時には死ぬ事も罪になるんだぜ?
お前は本当に罰当たりな奴だ。)
王羅の心の中の呟きは
友人に向けて「誰かを悲しませた」
という罪を言い渡した内容だった。
オレはゆっくりと
その子の方へと近づいて行く。
魁人が最期に言った言葉を
あの子に届けるために‥‥!!
アイツは死を覚悟して
オレに託したんだ
あの子の心に影響を与えるかも
知れないけど‥‥!!
オレに黙っておく権利はない!!
「フフフ‥佐野君と相澤さん楽しそう♪」
テーブルの上に膝をついて
手の平に顔を乗せる田渕。
非常に穏やかな眼差しで
温かい目と微笑みを浮かべている。
『神様ってひどい………人を襲う人が
出来る世界を創るなんて‥‥‥。
おかげでもう‥‥魁人くんとは
会う事も話す事もできない。
今思えばあんな事してたとは言え、
わたしを励ましてくれたよね?
『がんばれ』って『大丈夫だ』って。』
ハァ‥‥‥‥。
魁人くん‥‥もう私を
励ましてくれないの?
もう会えないの?
そう思いながらと両手で顔を覆い隠す田渕。
認めたくない事実。
だがこれは紛れもなく現実だ。
「‥‥‥‥‥‥。」
オレは心が空っぽなのかもな。
人を好きになれないし
人に好かれようとも思わない。
それでもオレを好きだと
思いを伝えてくる子がこの
学校に入ってから4人いた。
中学でも5人だったっけ?
それでもオレは理解できなかった。
オレは人を愛せないんだろうな。
━━━ソリャソウダロ‥‥。
オマエハ『人』ノ『皮』ヲ
カブッタ"アクマ"ナンダカラナ‥‥‥‥。
イママデ"何人"
"人"ノアタマヲ潰シタ?
━━━━━━!?
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