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「るな…?」
「お迎えがきたみたい…」
そう言うと彼女は光の先を見つめた。
「え、行くのか?」
「うん、ずっと現世にはいられないから…」
彼女を必死に引き止めたかったが、
もしも来世というものがあれば、
彼女は今現世で留まるよりも、
絶対幸せになれる。私はそう思った。
「そっかぁ…俺…
るなのこと絶対に忘れないから…」
溢れる涙を必死にこらえた。
彼女はうれしそうに笑い
「うん、ありがとう。
……私…私もたっちゃんのこと絶対に忘れない
産まれ変わっても絶対忘れないから」
そう言うと彼女は光とともに
消えていってしまった。
「るなー!!」
最後は泣かないで見送ろと
必死に涙をこらえていたので、
雨粒のように次から次へと涙が溢れてきた。
そのとき、かけていたメガネが
ピシッと音をたてて、
地面に落下したと思ったら
そのまま粉々に壊れてしまった…
そのまま私はその場に寝転び、
まるで夢でも見ているようなひとときを
思い返しながら、空を眺めた。
空はすっかり暗くなり一番星が見えた瞬間、
その近くに流れ星が通った。
(どうか来世で、るなが幸せになりますように)
私は流れ星にそう願った。
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