第2章 いま、できること

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     ① 『ハロー! ヒカル、どうしたの?  そんな暗い声をだして。事故の処理に手間取ってるの?』 「メアリー、相談があるんだ。  エージェントのロイに契約金をあげるよう頼んでほしい」 『あげるってどこまで?』 「少なくても100万ドル」 『クレイジー! 気は確か?  あなたはまだ無名の新人に過ぎないのよ』 「わかってる。だけど、どうしてもカネが必要なんだ」 『どうやらタチの悪いひとにぶつかってしまったようね。  OK! わかったわ。とにかく帰ってきなさい。  こちらには事故処理のプロもいるから、そのひとたちにすべてをまかせるの。  いい、わかったわね』 「ダメだ。それはできない」 『ヒカル!』 「しばらくは帰れない。メアリー、もう、ぼくのことは放っておいてくれ」 『ちょっと待って、ヒカル、あなた、まさか--』  瀬名は一方的に通話を打ち切り、電源をきった。  こうなったら、いまの自分にできることを探るしかないのだ。
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