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①
視界がぐるりと回転したかと思うと、真っ白な雲と空の青が目に映っていた。
背中が熱い。
陽の光を吸ったアスファルトが七海(ななみ)の背中を焦がしている。
でも……
動けない。
だれかが七海の顔を覗きこんでいる。
くっきりとした二重瞼。
すっきりと通った鼻筋。
形のいい唇。
上品な顔立ちのまるで王子様のようなひと。
ああ……そうか。
七海は目だけ動かして白いクルマのタイヤをみた。
あたしは王子様の馬車にはねられたんだ……。
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