第1章 最悪の出会い

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  ⑧ 「それがどうした!?  カンケーのないヤツはひっこんでろ!!」  男が声を張りあげ恫喝する。  だが、瀬名はひるまない。 「関係はある。ぼくはその女性にケガを負わせた事故の加害者だ」  男の目をみてきっぱりといった。 「へ?」  男が酢を飲んだかのような顔つきになる。  七海と瀬名を交互に見返す。 「事故ってなに? ひき逃げ?」 「逃げてはいない。保障と賠償はきちんとするつもりだ」 「ハハハ、そりゃいい。やるじゃないか、あんたら」  男が七海と母親に視線を移し囃し立てる。 「やるってなにを!?  なにがいいたいんですか!」  七海が男に向かって猛然と抗議した。
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