1話

2/8
前へ
/8ページ
次へ
私は大学3年生。 乙女ゲームやネット小説が好きないたって普通な女の子。 最近のマイブームは乙女ゲーム転生に、婚約破棄物。 私には付き合って2年の婚約者がいる。西宮一にしのみやはじめ君。 顔はそこそこで、さわやかな雰囲気の同級生。 私は陰から彼を見ている一人だったけど、同じ授業を取ったことをきっかけに仲良くなり、交際がスタートした。 女性からの人気が高い彼と、ザ・平凡な自分が釣り合うか不安だったけれど、特に問題が起きることもなく、1ヵ月前に婚約を申し込まれた。 そんな彼に私は呼ばれた。 昼下がりの夏のファミレス。 店内は冷房が効いており涼しい。陽気なBGMが夏を強調する。 主婦や学生など、幅広い層のお客さんが店内にはいる。 皆、この昼の時間を思い思いに過ごしているようだ。 二人組の主婦?の方は、子育てについての雑談。 中学生ぐらいの男の子たちは、PSPに夢中になっている。 すぐに、店員が寄ってくる。 「お一人様ですか?」 「いいえ、待ち合わせです」 私は、キョロキョロと店内を見回す。 一つのボックス席で彼が手を振っている。 私は笑顔で手を振り返し、彼の元へ向かう。 ボックス席の彼の対面に座る。 彼の横には、一人の女性が座っている。 私の友達の冬子。 ゆるふわかわいい系女子。 タンポポの様なかわいい子。 守ってあげたくなるような女の子。 髪のカールぐらいが絶妙すぎて、ついつい触りたくなる。 見た目はかわいい系だけど、性格も良く、内面はしっかりしており、様々なことで私を助けてくれる。男の子から圧倒的で人気で、よく紹介してほしいと頼まれる。 彼と冬子が一緒に座っている様子を見て、私の心の中にある考えが浮かんでくる。 でも、それを心の中で飲み込み、笑顔を崩さない。 「それで、話って何?」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加