SORROW~薄倖の少女~

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 俺は思わずうめき声を上げた。  体力仕事をやっているだけある。  腕力は並みの人以上だ。  Tシャツが思い切り引っ張られただけでなく、首も締まって苦しい。 「アンタ、早まるのはやめて!この人の話をちゃんと聞きましょうよ」  和江さんの言葉に、ふっと腕の力が弱まった。  拳からするりとTシャツが抜け、反動で俺は畳の上に両手をついた。 「ゲホゲホッ……」 「わ、悪かった……その、取り乱してしまって。話してくれないか、あいつに、柊の奴に何があったか」
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