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再び千草の車に乗り、俺は花澄と共に病院へと向かった。
町中から離れ、峠を抜けるバイパスを車で一時間ほど走ると、4階建ての大きな建物が見えてきた。
だだっ広い駐車場に車を停め、一面ガラス張りのエントランスから建物の中へと足を踏み入れる。
受付で千草が何やら話すと、すぐに奥の方へと案内された。
白くて無機質な長い廊下を抜け、示されたドアをくぐると、薄緑色の施術着を着た医師らしき男性が俺たちを迎えた。
椅子に座らされ、あれこれ説明を受けているうちに、しばらくしてステンレスのトレーを持った看護婦が入ってきた。
そこに乗せられていたものを見た花澄は、泣き崩れた。
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