EASY~簡単すぎる依頼~

7/19
前へ
/103ページ
次へ
 川岸の地面は湿っていて、川に向かって少し急な斜面になっている。  転びそうな斜面に近付くのを用心しつつ、俺はギリギリの所まで行って、腰を屈めて手を伸ばした。  あと少しで手が届く。  右腕をさらに伸ばしたその時だった。 「え……?うわぁぁぁ!!」  体が平衡感覚を失ったのを感じたのも束の間、俺の体は華麗に宙を舞い、川へと突っ込んだ。  ドボーン!と、勢いの良い水音に、川面をぷかぷか浮かんでいたカモのつがいが慌てて飛び去った。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加