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川岸の地面は湿っていて、川に向かって少し急な斜面になっている。
転びそうな斜面に近付くのを用心しつつ、俺はギリギリの所まで行って、腰を屈めて手を伸ばした。
あと少しで手が届く。
右腕をさらに伸ばしたその時だった。
「え……?うわぁぁぁ!!」
体が平衡感覚を失ったのを感じたのも束の間、俺の体は華麗に宙を舞い、川へと突っ込んだ。
ドボーン!と、勢いの良い水音に、川面をぷかぷか浮かんでいたカモのつがいが慌てて飛び去った。
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