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「なんかー、北原先輩が店の方から泣きながら出て来てー、なんだろうと思ってたら、ちょっと時間開けてから店長が出て来た」
「うっそ、なにそれ!」
「てかさ、北原先輩の前に辞めた太田先輩も、フラれて辞めたって噂だよ」
「まじか!」
一体どれだけモテるんだろう。
そして、今までどれだけの女の子を振ってきたのだろう……。
マスターのあまりの鉄壁さ加減に三人は言葉を失った。
しばしの沈黙の後、最初に開口したのは風奈だった。
「……てかさ、そこまで堅いって、逆に気になんない?」
その言葉に、日向も口元にニヤリと怪しげな笑みを浮かべた。
風奈と日向、二人の目線がカチリと合った。
「……やってみちゃう?」
「よし!決定!」
「何掛ける?」
「美味しいものがいいなー」
「オッケー」
二人は片手を挙げて、意気投合したみたいにパチンと手を合わせた。
「あのう、何をやるんですか?」
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