プロローグ

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 一人だけ話に付いていけない恋歌は、二人を交互に見比べた。  風奈はちょっと肩をすくめて、恋歌に説明した。 「だから、落とすの。マスターを」 「落とすって……?」  恋歌は目を白黒させた。 「恋愛経験無しの恋歌ちゃんには難しい話だったか。つまりね、マスターに自分の事を好きにならせるの」 「ええっ、そんな事できるんですか!?」 「んー、分かんないけどね。面白そうじゃん」  楽しそうに笑う風奈を見ながら、恋歌はぽかんと口を開けた。 「……すごいなぁ、二人とも。私にはそんな事、無理ですよ」  そして尊敬の混じった眼差しで二人を見つめる。  しかし日向は恋歌の肩にぽんと手を置き、ニッと笑って言った。 「やるんだよ、恋歌も」 「えっ!?」
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