始まり

10/10
前へ
/16ページ
次へ
今この赤の皇帝は何て言った? 考え事をしていたため、俺は聞き間違えてしまったようだ。 「えっと・・・聞き直してもいいですか? 誰がお目付役ですか」 「二度も言わせるな。俺がお目付役だ」 「誰の?」 「お前のに決まってるだろ」 「あんた皇帝だろ!?」 何で国のトップがお目付役とかすんだよ!? お目付役なんて一兵の兵士で十分だろ! びっくりすぎて敬語が抜けるわ! 「グダグダと煩い奴だな、この件は俺に任されている。 俺が決めた事に口を挟む権利は誰もねぇ」 「挟む挟まない以前に皇帝なら王としての責務があるだろ!」 「皇帝は他に2人いる。別に俺1人居ないとところで問題が起きる訳じゃない」 そうかよ! でも何であんたなんだよ!? ヤタガラスを見つけ次第消せばいいって言ってたよな? そんな奴と一緒にいて気が休まる時があるのか? ないよな? 気を張り詰めされて精神が参るわ! 「お目付役を他の人でお願いします!」 「却下」 即答で返された。 少しくらい聞いてくれたっていいだろ。 「そもそもお前に決定権なんざねぇ。自分の立場をわかってねぇのか」 赤の皇帝の方が正しいため言葉が返せない。 「早く俺から解放されたいなら、さっさと証明するか消されるの2択に1つだ。せいぜい頑張ることだな」 「証明すればいいだろ? 絶対にしてやるよ!」 赤の皇帝の嫌味がたっぷり入った売り言葉を買ってしまった俺は、後々後悔するはめになる。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加