第一幕

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俺はシーツを貰おうと手を差し伸ばすと、また不可解な顔をされる。 何でたよ。 「別に必要ねぇだろ」 何も掛けずに寝ろというのか・・・ 出来るわけないだろ、風邪引くわ! ベットどころかシーツも渡さないとか、何処の暴君だよ。 「じゃあ、何か掛けれる布をくれよ。明け方だと寒いだろ」 「だからいらねぇって言ってるだろ」 「じゃあ何でくれないんだよ!?」 「ベットで寝ればいいだけの話だろ」 「え・・・?」 どうやら俺の耳はツンボみたいだ。 だってさっき「ベットで寝ればいいだけの話だろ」と聞こえてしまった。 「・・・誰がベットで寝ればいいんだ?」 「お前らがだよ」 「じゃあ、ゲオルグは何処で寝るだよ?」 「ベットに決まっているだろ」 決まっているのかよ。 「ベットは1つしかないけど」 「そうだな」 「それはつまり・・・」 「同じベットで寝ればいいだけの話だ」 「なわけあるかっ! 」 本当に何考えてるのか、マジでわからねぇ。 普通に皇帝が殲滅対象と同じベットで寝るとか前代未聞だろ! それともアレか? 俺の知識の常識では異常だが、この世界の常識では普通なのか? なら今すぐ止めろ! 相手が殺意持ってたら確実に殺られるぞ! 「さっきから何ゴチャゴチャと喚いてる。俺はもう寝みぃんだ。さっさと寝かせろ」 「勝手に寝ればいいだろ!? 俺たちはソファで寝る、あとココにある羽織りを借りるからな」 俺は椅子に掛けられたバスローブみたいな羽織りを取り、ヤタの手を引きながらソファへ向かう。 ゲオルグは一緒に寝る事に抵抗がなくても俺にはある。 俺たちを殺そうとしている奴と誰が好き好んで隣で寝れるっていうんだ。 無理な話だろ。 そう思いながら俺はソファの前に来ると、背後に気配を感じた。 後ろを振り返ると居たのは、面倒な顔をしながら頭を掻くゲオルグの姿があった。 「はぁ、面倒だな・・・」 「え、ちょっ・・・何だよ!?」 突然ヤタの手を握っていない方の腕を掴むなり、無理矢理ベットの方に歩かされた。 「だから俺たちはソファでいいって! ベットは、あんたが使えはいいだろ!?」 「・・・・」 無視をするゲオルグは俺たちをベットに放り投げる。 弾力のあるベットのお陰で、投げられた衝撃の痛みはなかった。 それどころかベットの柔らかさに驚く。 ベットに関心しているとゲオルグが俺をベットに抑え付けてきた。
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