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抑え付けられたことにより、自然とゲオルグの顔を見上げる体制になる。
何か嫌な体制だな。
しかし、ゲオルグの顔って美形だよな。モデルみたいだ。
綺麗な白銀の目と長い髪が光でキラキラと輝いている。
「お前・・・」
「何だよ」
「・・・年はいくつだ」
「16だけど」
「16? 14じゃあねぇのか」
「童顔で悪かったな。それどころかもう直ぐ17になる」
東洋人は皆童顔なんだよ。
文句あるのかっての。
「いや、悪くはねぇ。ただ見た目の割に肝が座っていると思ってな」
ゲオルグはニヤリとした笑い方をした。
「別に威勢を張るのはいいが、何があっても1人になるなよ。自分のためと女のヤタガラスを守りたいならな」
「言われなくてもヤタは何があっても俺が守るさ」
「フン、倒れねぇ程度に足掻くことだな」
「!?」
ゲオルグの顔が近づいたと思ったら、唇に柔らかい感触がした。
え、何?
ナニとナニがくっ付いているんだ?
頭の中で困惑しているとゲオルグが俺の上から離れ、隣に移動した。
「忠告はしたからな、俺は寝る。お前らま寝ろ」
そう言うなりゲオルグは、俺の方に背を向けて夢の中に入っていた。
その間の俺は1ミリ微動だもせず天井を見つめ続けていた。
さっき何が起きた?
確か押し倒されて、警告らしい事を言われたとおもったらゲオルグの唇が俺の唇に・・・・。
・・・・キスされたのか俺!!?
衝撃な事実に思わず口を手で覆ってしまう。
何でキスしたんだよ!?
意図がまったくわからないんだけど!?
ハッ!
ヤタは!?ヤタ起きてるよな?
さっきの見てたんじゃ・・・。
血が下に下がる感覚を感じながら、恐る恐るヤタを見る。
ヤタはキョトンとした顔で俺を見ていた。
何か平然としてね?
それとも驚いているのか?
「ヤ、ヤタ・・・」
「ど、どうしたんですか?お兄ちゃん」
「・・・・」
変わらない返事の仕方に、何て聞けばいいのか逆にわからない。
普通にさっきの見た? と聞けば良いのか?
さっきの見て何とも思わないのか?と聞けば良いのかわからねぇ・・・
「?」
一向に何も言わない俺に、不思議かるヤタは首を傾ける。
呼んでおいて何も言わなかったら誰だってそうだよな。
「・・・いや、もう寝よっか」
「う、うん」
俺は見ていないことを信じて寝る事にした。
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