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思わずそう呟く疾風と友美。
入籍五分前とはいえ友美曰わく愛妻家候補生の疾風であるから、一式翁から件の話を聞かされるや真っ先に友美へと打ち明けたのは言うまでもない。
「そうだ疾風。
茜ちゃんへのプレゼントだけど…」
「グラスカステンのケーキなんてどうかな?
ビルもカンノもスギも、茜ちゃんに是非ご馳走すべきって言い切る位気に入ってるし」
「賛成!!!
やっぱりそれだよね!」
「せっかくだからクッキーも付けようぜ。
ブランドは勿論…」
「リリカブランド!
あれって美肌効果もあるって知ってた?」
「知らなかった…
友美の勝ち!」
「うむ、素直で宜しい!
じゃあ、賞品は台湾新幹線フルセットね!」
「あのなぁ…
何でそうなる何で…」
そんなやり取りを交わしはしたものの、友美は内心意外に感じている。
何故なら疾風はいつものように
「Nゲージの0系新幹線は考えた方がいいぞトモヨシ?」
…と茶化さなかったのだ。
友美は疾風のそんな一面に感謝する反面、明日にはまたいつものように茶化してほしいとも思っている。
それを知ってか知らずか、疾風は言葉を続けた。
「斎藤監督と小園コーチに聞いたんだけど、茜ちゃん…」
「今はどうやって茜ちゃんに喜んで貰うかを考えようよ」
悪いとは思いつつ敢えて疾風の言葉を遮る友美。
ケーキと茜ちゃんの文言を聞いた途端、友美は何故一式翁が遊月夫妻をぶぶづけ参謀とサトに例えたのかを察していたのだ。
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