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同じ頃大阪の阪急百貨店大食堂では、JR西日本の社員と海上自衛隊の女性2等海尉が昼食を摂っている。
JR西日本社員の側が小林十三、2尉の側が蜂矢摩耶(はちや=まや)であった。
「十ちゃん…
その遊月っちゅうダボ一家てどこに住んどうのん?」
「?
聞いてどないすんねや摩耶姉ちゃん?」
「決まっとうやろ。
じいちゃんとクマじいちゃんが本気で怒り出す前に、これ以上悪逆非道な真似しようならどないなったかて知らんで
…って警告したるんや。
どないな豪邸かて、本気出したあの二人に狙われたらただじゃあ済まんさかいにね」
「事と次第によるとはいえ、どこに住んどうと嵐じいちゃんとクマじいちゃん敵に回した時点で、逃げ場なんざ世界中探したかてあらへんもんな…」
従姉の言葉に血相を変えると思いきや、十三は苦笑しながらそう言ったのみである。
分かっているのだ。
自分と同様に従姉摩耶も、そう言いでもしなければ忽ち腑が煮えくり返ってしまうことを。
「せや、そういや嵐じいちゃんはこの話知っとうのん十ちゃん?」
「とっくにクマじいちゃんから聞いとうやろな。
ワイが幼稚園の時といい今といい、世にクソダボの種は尽きまじやでホンマに…」
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