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人見知り
高校のクラスに、凄く大人しくて控えめな女の子がいた。
周りの話では極度の人見知りで、人と話すことが苦手らしい。
実際、席順が近くて同じ班になっても、その子は俺は無論、他の連中ともほとんど口をきこうとしない。とはいっても、共同作業に非協力的とかではなく、なるべく目立たないように一歩引いて、みんなの意見にはきちんと対応しているふうだったから、そういう性格なんだということで、一応みんな納得した。
そんなクラスメイトの女の子と、日直の雑用で居残りをしたことがある。
翌日使う三種類のプリントを、クラスの人数分ホチキスで止める。
単調作業だからどうしても退屈になって、相手の人見知りを承知であれこれ話しかけた。
でも不思議なことに、人と話すのが苦手だと公言しているのに、彼女は俺の言葉に普通に相槌を打ってくるのだ。それも、かなり自然な様子で。
同じ班で顔を突き合わせている時間が長いから、そろそろ人見知りの対象から外れたのだろうか。
何にしろ、楽しく話せるのはいいことだ。
雑談を交えたらたちまち時間の過ぎるのは早くなり、俺達はまとめたプリントを職員室の担任に渡しに行った。
そこから下駄箱へと向かう途中、隣を歩く彼女に話しかける。でも何故か、教室内での快活さがまるでない。
何か、気分を害するようなことを口走ってしまったのかとも思ったが、心当たりがまるでない。
「さっき、普通に喋れてたよな? なのにまた人見知り?」
つい、思っていたことが口をついた。その途端彼女の足が止まる。
図星をついて怒らせたか?
そう思った俺の目の前で、彼女は小さく首を横に振った。
「そうじゃないの。…っていうか、ホントはアタシ、人見知りとかはしないんだけど…」
予想外の打ち明け話に俺も足を止める。向き合う形で彼女と対峙するが、相手の視線は決してこっちには向かない。
「人見知りじゃないなら何? 何で顔、伏せてるの?」
「これは、仕方なくなんだけど…アタシ、実は、ちょっと、…変なものが見える体質で…」
さらに思っていもいない告白が飛び出す。
変なものが見える体質。それはもしや、霊感があるとか、そういうのか?
「幽霊とか、見えるの?」
「幽霊、じゃないんだけど…違うと思うんだけど…」
返答の歯切れが悪いのは、信じてもらえない話をしているせいではなく、彼女
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