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別れ
大学4年の終わり頃、それは突然告げられた。
「私達、もう終わりにしましょう」
最初は何を言われたのか、何の事を言ってるのか理解できなかった。だが彼女の真剣な眼差しから察する事が出来た。そう、彼女は私に別れを告げたのだ。彼女に大事な話があると言われ、大学近くの喫茶店に着いて早々の事だった。
彼女、葛城萌愛とは同じ大学で同じ歳。1年の夏にサークルで出会った。私はそれ程意識はしてなかったのだが、彼女の方は私のどこが良かったのか好意を持ったらしく意気投合した。それから週末にはデートを重ね、交際する事となった。この頃彼女に聞いたことがある。
「俺なんかのどこが良かったの?」
「うーん。なんか木島君って一途のオーラが出てるんだよね。だからこの人だったら大切にしてくれるかなぁって」
そして最後に彼女は言った。
「女の直感ってやつかなぁ」
初めの頃は、女性慣れしてない私は何となくぎこちない感じだったが、彼女との時間を重ねるたびに、次第に慣れていった。そして、ドンドン彼女に引き込まれていった。
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