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「てなわけで、ワイはもうヒンヌー教の救世主なんや。この力でこの世から全ての巨乳を消し去ってくれるわああ!」
「……白井さん、一旦えすけーぷしましょう」
クランちゃんの言葉に、俺は頷く。
悔しいが仕方ない。
このままでは、夕姫だけでなく他の部員のおっぱいまでもが犠牲になってしまう……!
茫然自失としている夕姫を背負い、俺達は踵を返して走り出した。
「よ、陽介しゃあん!」
「風華……!?」
その瞬間、後ろから聞こえた悲鳴に俺は振り向く。
見れば風華が、リトルバストーズに取り囲まれて捕らえられていた。
「てめえ、風華を離せ!」
「そいつはできんなあ。まあ安心せい。危害は加えん」
まな板を突き付けられて震える風華を横目に、服部が勝ち誇った様子で言い放つ。
「この際や。決着をつけようやないか。明日の夕方五時。ここで決闘や。もしもワイに勝つことが出来たら、この子は返したる。せやけど、もしもワイが勝ったら、この子にはヒンヌー教のご本尊として働いてもらう。ええな?」
「ふざけるな! 誰がそんな……」
「拒否権はあらへん。それじゃ、明日楽しみにしとるで。あ、そうそう。仲間を連れて来るのは自由や。最も、仲間を巻き込む気があればやけどな! ほなさいなら!」
「陽介しゃああああん!!」
そう言って服部達は、何やら煙に包まれてその姿を消した。
結局、夕姫のおっぱいは奪われ、風華までもが敵の手に落ちた……。
俺達は何も言えないまま、重い足取りで部室へと帰るのだった。
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