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「ごめんなさい……! 私の責任だわ……」
部室に戻ってきた俺達に、二宮が頭を下げてくる。
「いや、お前のせいじゃないよ。考え無しに動いた俺がいけなかったんだ……くそ……っ! 夕姫……すまない……! 風華……大丈夫だろうか……」
「ああもう! 辛気くさいわね!」
もはや反省会となってしまった部室の空気を破ったのは、おっぱいを奪われた夕姫だった。
「要は明日あいつらに勝てば、風華ちゃんは返って来るんでしょ!? だったら何の問題も無いわよ。いざとなったらうちの若い衆を百人ほど……」
いやいや夕姫さん、怖いから!
だが……
「夕姫……風華はそれでいいかも知れないが、お前のおっぱいは……」
「おっぱい? そんなの別にいいわよ。どうせ邪魔くさいだけだったしさ」
夕姫はそう吐き捨てるように言うと、不意に立ち上がる。
「……ちょっとトイレ行ってくるわ」
そしてそのまま、すたすたと部室を出てしまった。
「……追いかけてあげて」
「えっ?」
夕姫が去った直後、涼子が呟くように言った。
「白井君、夕姫さんを追いかけてあげて。あの子、何だか前の私と同じ匂いがする……」
「前の涼子……って! ちょ……夕姫ぃっ!」
その言葉に、俺は慌てて部室を飛び出した。
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