おっぱい泥棒を追え! #2

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  「夕姫ぃぃぃ!」 部室を飛び出した俺は、そのまま迷わず女子トイレに飛び込んだ。 「夕姫! どこだ夕姫!」 トイレに入れば、鍵のかかった個室が一つ確認できた。 もしやあの中に夕姫が……っ! 「夕姫! ここにいるのか! 夕姫ッッ!」 「ちょ……な、なんなのよ!? ここ女子トイレよ!? とっとと出ていきなさいよ!」 個室の中から聞こえた夕姫の声は、まちがいなく俺を拒絶していた。 これは確かに……涼子の時と同じだ。 涼子も俺を拒絶し、自らの命を絶とうとしていた。 ――このままでは、夕姫の命が危ない!! 「夕姫! 待ってろ! 今行くからな!」 「は、はあっ!? ちょっ、アンタなに意味の分からないことを……」 俺を遠ざけようとする夕姫の言葉は気にしない。 このまま放って置けば、夕姫は個室の中で何やら混ぜるな危険的な物を混ぜたり、トイレットペーパーで首を吊ったり、便器の水に顔を押し付けたりして命を絶つだろう。 それだけは、避けなければならない。 「夕姫……! 夕姫……!」 「ちょ……馬鹿、来るなあっ!」 個室の扉をよじ上る俺を、夕姫が必死で止めようとする。 個室の扉と天井の間には俺が通れるくらいの隙間がある。 ――夕姫、大丈夫だ。俺は絶対にお前を死なせはしない。 「夕姫ィィィィ!」 「イヤアアアアアア!」 そして俺は、ついに夕姫が待つ個室へと飛び込んだ。
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