第16話

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運転席とは反対側に顔を向けて、車窓から流れる景色を眺める。 既に日は落ち、辺りは薄らと暗闇に包まれていた。 ポツンポツンと灯る街灯。 車を走らせるうちにその景色はだんだんと華やかになり、街のざわめきが車の中まで聞こえてくるような気がした。 「ずいぶん仲良くなったんだね」 赤信号で車を停止させた神崎くんが呟く。 「そうね」 誰のことを言っているのかなんて聞かなくても分かったから、簡単に答え、膝の上に乗せたバスケットに視線を落とす。 サンドイッチに使ったパンの香ばしい香り。 調理を手伝う私の不器用さに呆れた竹さんの顔を思い出し、ふと顔が緩んだ。
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