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一哉くんと連絡をとった日から数日、その日は朝からバタバタしていた。
あのアンジェが急遽来日することになった。
坂崎さんが広報チームに発表した内容では、殲滅ロザリオフィーチャリングアンジェという形で、欧米デビュー用のデラックスアルバムからシングルカットして、ミニアルバム仕様で殲滅ロザリオを逆輸入するという。
アンジェはその広報と宣伝でTVからラジオまでメディアに露出する。
もともと前から打診していたけれど、なかなかスケジュールの都合で、色よい返事がもらえなかったらしい。
けれどアンジェのたっての願いで急遽来日が決定し、そのための準備を総戦力でやることになった。
それは、今回のミニアルバムがいかにレコード会社にとって大事かをあらわしていた。
アンジェといえば、洋楽好きならすでにトップアーティストとして聴こえている。
国内にファンがどれだけいるか分からないけれど、少なくともルックスでも音楽性でもかなりのファンがいると業界では知られていた。
まだ国内でのタイアップはないけれど、それは坂崎さんがうまく殲滅ロザリオとの合わせ技でコントロールしていたからだ。
それが解禁される。
朝から電話やメールでの取材依頼などひっきりなしだった。
「三科、高梨。悪いがアンジェを迎えに行ってくれ。ホテルはすでに手配してある。高梨は面識あるよな?」
「はい!」
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