第1章

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A「…そんなに急がなくても、公園は逃げていかないから。」 少し待って、とぐいぐいとリードを引っ張られれば、ぼくは我慢しきれなくなってご主人の方へと急いで振り返る。 「わんわん!」 そのくらい、犬のぼくだってちゃんと分かっていますよ。ご主人様。 でも、最近ぼくよりも先にこの公園に足跡をつける奴が居るんです。 それがどうしても許せないんです。 「わんわんわん!」 ご主人様は気付いていないのですか。朝の散歩で、必ず出くわすアイツです! いつも黒い通学鞄を持って、のんびり歩いているではないですか!
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