Bの提案

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Bの提案

「さて、まずはどういう順番にするか」 早速委員長のCが仕切りだした。彼はいつもみんなをまとめる立場であり、その手腕もなかなかのものである。Cが言うや否やBが挙手をした。 「はいはいっ。じゃあ俺からやってもいい?俺の言う通りにすりゃマドンナもいちころさ」 あとさき考えずに突っ走るのがBの良さでもあり欠点でもある。でもこういうアイデアを出す話し合いって、誰かが先に言ってくれると安心するんだよね。しかも最初の発言が素晴らしいと後が言いづらいけど、たいしたものでもないなら自分が発言しやすくなる。あ、Bのことを言ってるわけじゃないよ。 「いいか。お前は目立たないやつだ。とくに特徴がない。クラスの女子からは印象に残りにくい。ならどうすればいいのか。決まってる!体育祭で活躍するのさ!」 なんとなく予想はついていた。Bは運動神経抜群であり、部活でも活躍している。根っからのスポーツ好きであり、運動面からアプローチしろとアドバイスされるのはわかっていた。 「でも体育祭は来週だよ。もう間に合わないよ。」 「たしかAって騎馬戦に出るんだったよな。上はたしかBだったよな」 「ああ。でも上はAに任せる。一番の花形だ。最後まで残れば余計に注目を浴びる。マドンナも惚れるってもんよ。ありがたく感謝しな」 感謝しなといわれても、俺には上に乗った経験がない。襲い掛かる相手の攻撃を防ぐだけでも手一杯だろう。するとさっきから話を聞いていたDが言った 「弱気になるな。テクニックはBから教えてもらえばいい。BとCと俺が馬になる。それに馬だってできることはあるさ。相手を妨害したりとかな」 それはルール違反じゃないのか。突っ込む気にもなれず俺は話を聞いていた。 でもたしかにここでじっとしてても仕方がない。みんながここまで言ってくれているんだ。俺も期待に応えたい。 「わかった。俺、やるよ。絶対に勝ってみせる。さっそく教えてくれ」 こうして俺たちは放課後に特訓を重ねた。 Eの協力もあってほかの生徒も実践形式で付き合ってくれた。 そして体育祭の日になった
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