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「あーーーーっ!!」
それは、焼肉屋から漂ってくる匂いだった。
じゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅー!!
・・・た・・・たまんねえ・・・!!
・・・滴る肉汁・・・!!
・・・とってもジューシーな食感だろうな・・・この肉は・・・!!
すっかり飢えた野良犬のキィオは、涎をダラダラ垂らしてた。
じゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅーじゅー
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!もうたまんねーーーーーーー!!!!!!」
野良犬のキィオは、狂ったように目の色を血ばしらせて、ばっ!!!!!と、焼肉屋の中へ飛び込んでいった。
ドカン!!
バッチャーーーーン!!
「うわああああああ!!!自分食う!!自分食う!!自分の肉!!自分の肉!!」
すっかり気が違ってしまったキィオは
、店の中を暴れて客の肉を皿から口に次から次へと、なに降り構わず頬張っていった。
「食わないでーーー!!食わないでーーー!!自分の肉!!自分の肉!!」
はた迷惑な野良犬の乱入に、客も店員も呆れるどころか、怒りが混み上がってきていた。
ぶうん!!!!
「ひゃっ!!」
口を焼肉ではらませた野良犬のキィオの真ん前に、いきなり店員のこん棒が振りかざされた。
ぶうん!!!!ぶうん!!!!ぶうん!!!!ぶうん!!!!
「この野良犬!!もう二度と来るな!!」
・・・魔が差してしまった・・・!!
青ざめるキィオはまだ口の中に残っている焼肉を噛みながら、猛ダッシュで夜の街の中を駆けていった。
翌朝になった。
ぐるるる・・・
きゅるるる・・・
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