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昨晩はたらふく肉を食べた野良犬のキィオのお腹は既に減ってしまい、今にも飢えて死にそうに、街中を右往左往していた。
・・・ちくしょう・・・
・・・あれほど自分食ったのに・・・
・・・何で直ぐさま腹が減るのか・・・?
とぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼとぼ・・・
「あれ・・・ここは・・・」
野良犬のキィオは、いつの間にか見覚えのあるスーパーマーケットの前に来ていた。
「確か、アヴさんがここの生ゴミ捨て場が『穴場』だと教えてくれたよな・・・」
キィオはそう思うと、いきなり目が血走った。
涎はダラダラ垂れ、鼻の孔は興奮でパンパンに膨らんだ。
「きゃーーーーーん!!もう我慢出来なぁーーーーーーー!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
キィオは、堪らなくなって駐車場を突きって生ゴミ置き場へ一直線に猛ダッシュした。
「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!いっただっきまーーー・・・」
ズボッ!!
「しまった!!なんだこりゃ?!」
キィオは、生ゴミ置き場に飛び込もうとしたとたん、掛けられていた網に引っ掛かってしまい、ブラブラと吊られた。
どや、どや、どや、どや・・・
「このクソ犬・・・もう二度と来るなと言った筈だ!!ぶっ殺してやる!!」
スーパーの店員は、キィオの尻尾を掴みとると、バシッ!!とアスファルトに叩きつけた。
「・・・・・・!!」
キィオはその衝撃で息が出来なくなった。
バキッ!!ボカッ!!ボコッ!!ドスッ!!
きゃいん!!きゃいん!!きゃいん!!きゃいん!!
スーパーの店員と店長は、代わる代わる、『憎たらしい』ゴミ漁りのキィオを殴り、蹴り、棒で叩き、壁に何度も何度も叩き付け、執拗に暴行を加えた。
「てめえ!このクソ犬!!死なんと解らんのか!!」
「店長!こいつ、保健所に頼んで処分衝撃でさせましょうぜ・・・!!」
・・・保健所・・・!!
キィオは、ショックを受けた。
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