6#さようなら、赤い大きな犬

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 キィオは、絶句した。    ・・・保健所に連れられた・・・?!  ・・・あいつ、誰も人間に噛みつきもしないのに、何も危害は加えないただ人懐っこいだけのあいつが・・・?!  ・・・誰も・・・人間どもは・・・あいつのことを・・・  キィオは、心が昂った。  「君、それまじかよ!!」  「まじに決まってるだろ?!俺はそこに居合わせたんだからさあ。」  「何で助けなかったんだよ!!」  「俺まで保健所に捕まったんじゃ、溜まったもんじゃねえしな!!でも、清々したぜ・・・」  「なんだと・・・?!」  キィオは、雑種の野良犬のサニに牙を剥いて「うーーー!」と威嚇した。  「おいおい、お前もそんな態度じゃ、お前も人間に保健所に連れられて行かれるぜ・・・!!」  キィオは、激しく興奮した。  「自分!保健所に行って助けてくる!!」  「止めろ!!『ミイラ取りがミイラ取りになる』って諺解るか?お前も保健所で殺されるぞ!!  もう、きっとあいつも今ごろガス室の檻で既に死んでるぞ!!」  雑種の野良犬のサニは、行こうとするキィオを羽交い締めした。  「赤い犬・・・アヴさん・・・」
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