3#悲しみの赤い大きな犬

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 おいら、「獲物を取ってきたら飼い主が来るまで待つ」と、本当に厳しくしつけられたからねえ。  でもねえ、おいらは待って待って待ちくたびれて、その『しつけ』を疑うようになった訳。  飼い主と遊びたい。それだけで『猟犬』やってきたけど、おいらは『獲物』と遊びたいのに、飼い主はズドン!!でしょ?  何か嫌になっちゃった。  ひもじくて、誰かに逢いたくて、誰かと遊びたくて。  ね!ね!ここであそぼ!!」  「で、でも君・・・今さっき、ここは危険な場所だからって・・・」  セッター犬のアヴは、ビーグル犬のキィオのボロボロと涙を流している目をみた。  「ねえ、キィオさん。何で泣いてるの?」  「だって・・・君・・・君は・・・飼い主に・・・こんな仕打ちになっても・・・」  ペロペロペロペロペロペロ・・・  アヴは、キィオの涙を舌でペロペロと舐めまくった。  「うわぁ!!くすぐったい!!じゃあ、自分も君の顔を舐めるよ!!ペロペロペロペロ!!」  「ぎゃはははは!!!!鼻が鼻が!!」  赤い大きなセッター犬のアヴと、ビーグル犬のキィオ。  2匹の野良犬は、行き交う車の排気ガスのスモッグにまみれながらお互いじゃれあって歩道を駆け回って遊び呆けた。
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