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まるで子どもだ。
案の定、麻衣子はかなり怒っていた。
見知らぬ男にしつこく絡まれ、困ってもいた。
───見知らぬ男。
その響きが、速水を切ない気持ちにさせる。
実は俺、子どもの頃、何年か名古屋に住んでてさ。北区の○○グラウンドで野球やってて。
そう、おまえの兄さんもやってただろ?
知ってるよ、笹木真司。真司と同じチームだったんだ、俺。
麻衣子、真司の練習、よく観に来てただろ?
で、練習が終わったあと、みんなでドロケイとか、いろ鬼とかしたの、覚えてねえ?
俺と俺の兄さんと、真司と麻衣子の4人で、かくれんぼして遊んだりもしたよな。
そうそう、俺、あの時の“いっちゃん”。おまえ、俺のことずっと、“いっちゃん”て呼んでただろ。
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