第2章

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急いで駆け寄り、そのいくつかを拾い上げた。 指でつまんで確認すると、それが細かく破られた写真であるのが分かった。しかし、誰が写っているかは全く分からない。 「お母さーん、これ、誰の写真ー?」 空に向かって問いかけた途端、母は悲しそうに顔を歪めた。そして、何度もパクパクと口を開く。 「聞こえないよ! ねえ、これ、なんなの?」 麻衣子の声は、空に届いているのだろうか。 母は申し訳なさそうに首を垂れ、顔の前で両手を合わせた。 「どうしたの? 謝ってるの?」 母は何か言いたげに麻衣子を見つめた。が、目を閉じ顔を背けると、そのまま雲に隠れて見えなくなった。 「お母さん、待って!」 麻衣子は声を張り上げた。 空気が抜ける風船のように、雲がみるみるうちに小さくなっていく。 「おかあさん!!」 もう一度、大声で母を呼んだ。 その時───、 ジリリリリリ!! ───目を覚ました。
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