第2章

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ベッドからのろのろと手を伸ばし、けたたましく鳴り響く目覚まし時計のアラームを解除する。 上半身だけむくっと起き上がると、ぼんやりした頭でゆっくりと室内を見渡した。 ───そりゃあ、夢だよね。 麻衣子は自嘲気味に笑みをもらした。 両親が事故で亡くなってから、今年でもう6年になる。悲しさに押し潰されそうだった時期は乗り越えたものの、ふとした瞬間に寂しさを感じることがある。 今みたいに夢を見たときもそう。 目覚めたあとに両親が亡くなったことを再認識させられ、喪失感に苦しめられてしまうのだ。 それにしても、へんな夢だった。 お母さん、何か謝っているみたいだったな。 謝らなくちゃいけないのは、私の方なのに……。 暗い気持ちなりかけたため、麻衣子は気を紛らすように、テレビの電源を入れた。 曇り空の下で、可愛らしいお天気レポーターの女の子が、昨日の気温について話していた。 どうやら、夕方頃から季節はずれの寒さになっていたらしい。 「たしかに寒かった……」とひとり言をこぼしたところで、目覚まし時計の横に置いてあるスマートフォンが、ブルブルと震え出した。
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