第2章

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ー3ー 昨日行ったファーストフード店は避け、駅から少し離れた場所にある、コンビニエンスストアに入った。 この店の一角にはイートインスペースがある。 ガラス張りになっている窓側と、その後ろの壁側に、白く細長いテーブルが設置されており、10人ほどが座れるようになっている。 先日前を通った際は人の姿を見かけたが、今は時間が早いからか、まだ誰も利用していなかった。 ホットコーヒーを買い、窓側の一番奥の席に腰を落とす。 しばらくの間、コーヒーを飲みながら、コンビニの前を通る人たちをぼんやりと眺めていた。 今ごろ速水は、昨日の店で朝食を食べているのだろうか。 ───もしかして、私のこと探したかな。 思ってすぐに、そんなはずないかと思い直す。 仮に気にかけたとしても、「今日は会わなかったな」。そんな程度だろう。
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