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白いブラウスに淡いグレーのジャケット、そして紺のフレアスカート。
昨日は初日のためスーツを着ていたが、今日は私服だった。そのため彼は、麻衣子を学生だと思ったのだろう。
「いいえ、違います」
毅然として答えたが、その実、この不自然なほどの近距離に不安を感じていた。
「あ、違うんだ。 じゃあ何学部? もしかして専門学校? ここの近くに住んでるの?」
矢継ぎ早に質問され、戸惑った。
初対面のくせに馴れ馴れしい男2号。
けれどこの男は、1号よりもたちが悪そうだと、直感的に思った。
話しかけないでください。
ここはビシッと言った方がいいだろう。
泰然たる態度で口を開いた麻衣子の足に、トンと男の膝が当たった。
ハッと驚いた表情を浮かべると、彼は僅かに口角を上げた。
……当たったのではない。わざとぶつけたのだ。
麻衣子は両足をサッと反対側に寄せた。
だが、壁があるためあまり動かすことができない。
困惑顔を向けると、そこには無言でこちらをじっと見つめる、無表情な男の顔があった。
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