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「もう、そんな時間なのね。あたしはシンディーよ、シンディー・ハッドフィールド。あなたは、えーと」
「オサムです……」
シンディーとは、会うのは初めてだったが、ジェーンから名前だけは聞いて知っていた。彼女もモデルなのだ。
「さあ、オサム、行きましょうか? 一日中あんな事しているとホントどうかなりそうだわ。休日出勤だし……」
何か会社の不満をもらしながらオフィスのドアに鍵をかけた。かけ終わるとノブを掴み、確認しているのか、ガタガタとドアを揺すった。
彼女はモデルだけあって、背が高く、顔が小さくて痩身だ。
でも、妙になれなれしくて気さくなしゃべり方をする。初対面とは思えない。
外に出ると、ぼくたちは並んで歩いた。
「すぐそこなの……」
ジェーンもこの道をシンディーと一緒に、こうして 『サンディーズ』 とやらへ食事に通ったのかもしれない。
店の前に大きな看板が出ている。
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