3章 彼女と俺の私生活

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彼女が家を焼き出されて、一ヶ月。 学校は、夏休みに入り、俺はぐーたらな生活をしていた。 「せーんぱい!起きてください! 先輩!!」 「うーん。今日から夏休みだからまだ寝てたい。」 「先輩!! もうお昼ですよ!」 「……………グー」 「先輩……。 起きないつもりですか…… なら、私にも考えがあります。」 〝一体……何するつもりなんだ…… まぁ……それでも起きないけど…… ぐぇー!!?〟 何かが俺の上に飛び乗り、吐息が耳元に聞こえる。 「先…輩…」 「ちょー!!咲夜さ……ふぐっ!?」 「ふむゅ!?」 何をされているか察し、俺はパッと目を覚まし振り返る。 タイミングが悪かったのか、はたまた良かったのかわからないが、俺と彼女の唇が触れ合ってしまい、赤面した彼女が俺の上から飛び降りた。 「!!!!」 「!!!??!」 俺は天井を一点に見つめ放心し、彼女は俺に背を向け座り、唇に人差し指をあて困惑している様子。 数分、2人は沈黙し硬直する。 「せ……先輩のバカァァァ!!!」 と、沈黙の空間を崩壊させたのは、彼女の方からであった。 「えっ!?えー!!?」 「先輩の馬鹿!スケベ!エッチ! 変態!!」 と、散々なくらい罵ってくる。 「いや!今のは事故で!」 「私は先輩とのファーストキスをもっとロマンチックな物にしたかったのに!」 「いや!その!! その前に咲夜が俺にキスしようと!」
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