3章 彼女と俺の私生活

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「ほっぺにチュはノーカンなんです!!」 〝どういう理論なんだ……〟 と、無茶苦茶な彼女の言い分に泣きたくなる。 だがここでもめても後が続かない。 俺は、布団から出ると頭を下げ謝った。 「ごめんなさい。」 「本当にそう思ってます?」 「うん。」 「わかりました。 じゃあ!お出かけしましょう!」 「えっ!? 何処へ?!」 「そうですねー。 自然公園に行きましょう! フリスビーとかやってみたいです!!」 「え……。 外?暑いのに?」 「はい! 表でめぃいっぱい体動かさないと健康に良くないです!」 座りながら、ニコニコこっちを見てくる彼女に尻尾が付いている様に見える。 まるで、ジローが散歩連れて行ってくれと催促しているときの様で、何となく気分が和んだ。 「わかったけど、日に焼けるでしょ? 咲夜は、肌白いから対策立てないと……」 「それなら大丈夫です! 姿勢ドゥーのサンメディカルなら! SPF50++++++ですし! 肌も焼けにくい構造なので、安心です!」 と、自信満々に見せつけてくるドヤ顔すら、癒されてしまうのは、彼女の才能なのだろうか?それとも彼女だからなのか。 普段なら、誰になんと言われても出たくない夏の昼間だが、出てもいいかな?と思えてしまった。 「わかった。行こうか。」
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