真実の過去

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やるしかない! 俺は自分に言い聞かせた。 「ルシアスー!!!」 俺はルシアスの名前を叫んだ。 そして手綱を握りしめ右手でゾフィを抜いた。 その姿を見たルシアスは何をするのかがわかったらしくロイの持つ手綱を両手で掴んだ。 ロイは、そのままゾフィを降り吊り橋を真っ二つにした。 ゴリラ達は全匹そのまま谷底へ落ちていった。 俺は何とか左手で綱を握りしめ、落ちるのだけはまぬがれた。 ロープを登ってなんとか崖まで登った俺は、レイナに抱きしめられた。 「ばか!本気で死んだと思ったぢゃない!」 「悪かった ルシアスもありだとう」 謝罪と礼を同時に言う俺。 ルシアスが綱を握ってくれていなかったら俺も谷底に落ちていただろう。 あぶなかった。 しかし....... どうして俺だけ?? いつからいたんだ、あのゴリラ! 気配すら感じなかった。 俺がビビっていたからか? 急に現れたように感じた。 俺を落とすために。 ...............。 そんなわけないか。 俺は考えすぎだと思い先へ進むことにした。 そこからは野宿も含めて一日と半分の日にちがたった。 「ついたな」 ルシアスが言う先に街が見える。
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