敵討ちの女性

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いい音がした。 彼女は涙を浮かばしながら目を大きくあけて驚いていた。 俺は彼女に背を向けて歩きだした。 これは無意味な闘いだ。 「負けっ.......」 俺は脚を止め彼女を見る。 「負けました」 大声で彼女が、叫んだ。 その言葉を聞いて俺はリングを降りた。 今日はこれで終わりだから闘技場をでることにした。 『どうかなされました??』 「いや、なんだか最後の試合が.......」 『そうですか でも無駄な闘いはしたくない とてもいい言葉だったと思います』 「ありがとう」 俺はそのままホテルを探した。 『ここなら大丈夫そうです』 ゾフィにそう言われ安心してホテルに入る。 部屋に入るとすぐにベットに寝転ぶ。 なんだか嫌な最後だった。 何にイライラしているのだろう?? 「ゾフィ!少し外を歩こうか」 『はい』 俺はホテルの外にでた。 少し風に吹かれて頭を冷やそう。 俺は自分の気持ちに困惑していた。 相手は女性でも闘技場にきたからには全力で相手をするのが礼儀 俺はそれをも無視した。 それだけぢゃなく女性のあの悔し涙....... 何かあったんだろう....... 俺にはどうすることもできなかったけど....... 「離してよ」 女の子の叫び声がしてその方を見ると、さっきの闘技場の女の子だ。 女の子の手を引っ張っているのは2回ほど闘ったあの大男だった。
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